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短めの一次&二次創作を思いついた時に更新します。本館はプロフィール参照です。
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ラヴリ―PのVOiCEに感動したのでプチSSS。
 
※本当に短いです。
※自己解釈です。これはこんな意味じゃない!という抗議は受け付けません。

 
 
 
もう終わりにしましょう。
その言葉にも、俺は動揺なんてしなかった。
いずれこうなるだろう、そう―――諦めていたんだ。
 
 
彼女は、俺に鍵を突き返し部屋を去った。
今からもう、三日前のことだ。
なんとなく予感はしていた。俺たちは別れてしまうのではないか、と薄々感づいてはいた。
だから、ショックはなかった。
……そう、思っていた。
 
「……ただいま」
それなのに、何故。
俺は今も、誰もいない家に帰ってきて―――そう口にしてしまうのだろう。
おかえりと迎え入れてくれる彼女はもういないと、知っているのに。
 
「……せっかく、正社員になれたんだけどなあ」
ぽつり、と思わず本音が零れた。
彼女との、幸せな未来のために。
俺は、懸命に働き、働き、働いて―――働きすぎた。
彼女の思いを知ろうともせず―――いや、知ってはいた。しかし「将来のためには今ここで止まっている場合ではない」と無視をして―――俺は進み続けた。
その結果が、こうなることも、心の底では分かっていたのに。
それでも、理解と『想い』は、別だ。心は、納得できない。
 
俺は出世した。もう一人の女を養えるくらいには裕福になった。
それでも、彼女がいないなら何の意味もないじゃないか。
それを今、深く深く―――実感する。
 
隣の部屋から、聞き覚えのある曲が流れてくる。
彼女が―――好きだと言っていたラブソング。
中睦まじい恋人たちの物語。―――思わず、耳を傾ける。
傾けながら、気づけば俺は、部屋の隅でぺたりと座り込んでいた。
感情が、止まらない。
 
今、彼女は何をしているんだろう、なんて。
俺に心配なんてする資格はないのかもしれないけど。
 
「…………っ……うぐ…………何で、だよお……」
 
悔しい。悲しい。辛い。寂しい。……泣きたい。いや、泣いている。
俺は、こんなに彼女を愛していた。
ずっと分かっていたのに。
彼女を愛していることは自覚していたのに―――俺は失ってから初めて、それを口に、行動にしなかったことを後悔した。
本当に、ごめん、ありがとう、なんて。
今さら言っても、誰も聞いていやしないけど。
それでも。
 
―――待ってる。
俺は君を傷つけて、孤独な気分にさせてしまったけど、でも俺は、やっぱり。
君のことを、愛してた。……いや、
まだ君のことを、愛してるから。
俺はここにいるから、だから―――もし君がよければ、なんて。
もう届かないことを知りながら、そんな言葉を、窓の外に吐き出して。
 
雪が降る。
白が、街を染めていく。
雪が溶けて春になったら―――俺も少しは幸せになれるのだろうか、なんて。
柄にもないことを思いながら、ただ願う。
 
俺が、幸せにできなかった『彼女』が。
花が開くように、どうか幸せになれますように、と。
 
祈りながら―――俺はただ、涙を流した。
 
降り続く雪が―――俺にはただ、眩しすぎた。





あとがき
ぶっちゃけ歌詞に肉付けしたレベルですみません。だって歌詞が既によすぎるんだもん。
歌聞いてると死別なのか?とも思ったんですが、あえて失恋にしてみました。
「花のように幸せになれ」って歌詞がやばいくらい好きです、俺ミクもいいよね。

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