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短めの一次&二次創作を思いついた時に更新します。本館はプロフィール参照です。
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☆突発番外編。自分の(ここ重要)誕生日祝いに書きたいこと書いたぜ!がモットー
☆やっぱり在野とトモの過去編。番外編①を読んでからの方が二人の過去の関係がつかめて分かりやすいと思います。
☆会話文オンリー
☆ネタが多少下世話です。注意。
☆しかしこんなノリなのにやけにシリアス


※四年前(在野13歳、在朝12歳)です。
 
「兄さん」
「どうした?トモ?」
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「え!?トモが俺に!?珍しいこともあるな!いつも俺が聞いてばっかりなのに俺がトモに教える日が来るなんて!?いやすごく嬉しい、なんだか兄として始めて頼りになれそうな気がして嬉しいっ……!でも同時に不安もあるっ、トモの方が俺より頭がいいわけだから本当に俺などでは役不足ではないかとなっ!」
「…………それならいいや」
「いやいや待て待て、目を背けるな!教えてやるからいや待ってむしろ教えさせてください!頼ってください!」
「ちなみに役不足は『自分の実力にふさわしくないから満足できない』って意味だよ」
「俺そんなこと言ったっけ?」
「…………で、この意味を聞きたいんだけど」
「スルー!?今俺の言葉を華麗にスルーしたよね!?どれだ?」
「68ページの5行目の、この(自主規制)って単語」
「………………」
「辞書で引いたんだけど載ってなかったんだ。期待はしてないけど、兄さんにも一応聞いておこうと思って」
「……………………」
「…………分からないよね、じゃあいいや」
「い、いや、一応分かるけど……………………」
「本当に?別に嘘ついて見栄張る必要ないからね。塾の先生に聞くだけだから」
「待て待て待て待てらめええええええ!それだけは絶対にらめえええええ!!!」
「……何で?」
「いや何でとか言われてもねトモさん、駄目なものは駄目だと思うよ、てかその本何!?」
「水滸伝を読んだ後に図書館から借りてきた。直感で借りたんだけど失敗したよ、僕はホラーはあまり好きじゃないんだ」
「いやホラーかもしれないけどさ、それはホラーがポイントじゃないと思うんだ」
「?兄さん読んだことあるの?漫画しか読まないと思ってた」
「いや、読んだことはないけど……」
「…………まあいいや、知ってるなら早く教えてよ。知らないなら素直に知らないって言ってよ」
「………………」
「…………何、兄さん。怖いんだけど」
「……良く聞けトモ」
「聞いてるけど。早くしてよ、僕も早く読み終えて勉強したいんだ」
「……俺が、今からお前を男にしてやるっ……!」
「ごめん、意味が分からない」
 
 
「……何で?」
「何で?って冷たい反応するなよトモ!言ったろ、俺がお前を男にするって!」
「その言い方すっごく嫌だ……」
「俺はお前を俺よりずっと大人でずっと頭がよくて何でも知ってると思っていたけど……そうか、お前にも知らないことがあったんだな……」
「なんか兄さんが少し嬉しそうなのがすごく気に入らないんだけど」
「お前はあれだ、勉強ばかりしてるから実践ができないんだ。この経験豊富な俺が何でも教えてやるよ」
「兄さんが経験豊富なものって、ゲームと遊びくらいしか思いつかないけど……あのさ、僕勉強したいんだけど」
「大丈夫だ、これもある意味勉強だ!保健体育の!」
「……運動は嫌いだ」
「いやいやスポーツの方じゃなくて……まあいいや、見りゃ分かるだろ。ってことで、俺は『トモのために』、別に俺は全く興味もないし見たいわけでもないけど、仕方ないから一緒にこのビデオを見てやるよ!」
「……僕には兄さんが喜んでいるようにしか見えない」
「ななななな何を言っているんだトモ!?そそそそそんなわけないだろ何で俺が友達から大喜びで借りてスキップしながら家に帰ってくるくらいドキドキしなきゃいけないんだ!?」
「…………うん、…………そうだね………………」
「うわあああああああそのすっごい諦めたような視線が超傷つくっ!いいさ、トモに今日こそは俺の方がアダルトなミスター大人だってこと思い知らせてやる!!」
「兄さん、習った英語を適当に使うのやめた方がいいよ」
「い、いいだろ細かいことはっ!さあ行くぞトモ、大人の世界へレッツゴーだ!」
「……兄さんが見たいだけじゃないの……?…………もういいや、面倒臭い」
 
 
「…………」
「…………」
「…………」
「…………気持ち悪い」
「えっ、トモ大丈夫か!?具合が悪いのか!?」
「…………ものすごく、気持ち悪い」
「ご、ごめん、えっと、あの」
「……ごめん、…………ちょっと、……止めて」
「…………」
 
 
「……大丈夫か?」
「………………一応」
「……悪い、まさか俺も、……そんなつもりじゃなくて」
「………………」
「…………ごめん、俺、兄ぶりたくて調子乗ってた、かも…………」
「………………」
「………………刺激強すぎた……よな……」
「………………」
「……いや、ちょっと無茶だった。…………ごめん、本当に」
「………………」
「…………トモ」
「………………兄さんは」
「……え?」
「兄さんは、何も思わないの?」
「………………何が?」
「…………僕は、…………気持ち悪いって思った」
「だから、それは、ごめん。……確かにちょっとグロいかもだけど……」
「そうじゃなくて…………『僕』が。『僕』が―――そんな気持ちの悪いことで生まれてきたっていうその事実が―――吐き気がするほど気分が悪いんだ」
「………………」
「―――汚いよ」
「トモ、それは」
「だって事実じゃないか。あんな下品で、汚らわしくて気持ち悪い行為(こと)で僕が作られるなんて―――母さんや父さんも、あんなので―――」
「…………悪い」
「どうしてあんなに気持ち悪いことをしないと人は生まれないんだ……!人間は生物の中で最も高度な存在なんだから、もっと―――」
「で、でも、お互い好きなら―――」
「…………あんなっ、あんな下品で気持ち悪くて汚らわしいことをするくらいなら、僕は誰も好きになんてならなくていい!」
「…………トモ…………」
「……汚いよ…………父さんも母さんも……僕も…………」
「………………」
「………………」
「…………違うよ、トモ」
「………………」
「いや、うん、―――トモの気持ちは、分かるんだ。俺も正直引いちゃったし……でも、ふと思ったんだ」
「………………何」
「……父さんと母さんみたいは、お互い好きで結婚したんだよな?」
「…………多分ね」
「…………てことはさ、逆に―――お互い好きだからこそ、そういうやらしい、汚い面を見せないといけないんじゃないかって、思ったんだ」
「…………」
「いや、まあ、俺も全然分からないからほぼ適当なんだけどさ―――逆に、そういう『汚い』部分や『気持ち悪い』姿をさらせる人間―――だからこそ、結婚したり子供を育てたりできるんじゃないかな、とか」
「……」
「多分だけど、綺麗な姿だけ見せてるのは本当の『好き』じゃないんじゃないかな?本当に『好き』ってことは、それぞれの汚い部分を見せ合わないと言えないのかも知れない」
「僕はそんなもの…………さらしたくない」
「…………」
「そんなことをしないと抱けない気持ちなんていらない」
「……トモは潔癖だからな。今はそう思うかもしれない」
「兄さんだって別にそんなに詳しいわけでもないのに……」
「うん、俺もぜーんぜんだよ?ぶっちゃけ興味があるだけで好きな女の子もいないし。でも、そんな気がする」
「……兄さんはいいの、それでも」
「それでもって?」
「自分の本当に好きな人なら、どんなにみっともなくて気持ち悪くて汚くて不潔で不快で無様な姿も見せられるの?他人のために―――自分が醜態をさらしてもいいって思う?」
「…………んー、まだ分かんないな」
「………………」
「でも、多分俺の未来の嫁が俺のそういう嫌なところや汚いところを知ってて全部まとめて『受け入れて』くれるなら、俺はものすごく喜ぶと思うよ。理由は、俺はそれが『愛されてる』ってことかなあ、って思うから」
「…………兄さんって、被虐趣味ある?」
「ひぎゃくしゅみ?なんだそれ?」
「…………何でもない」
「何だよ教えろよ!」
「……………………」
「まあ言いたくないならいいけどさ…………で、トモは?」
「……僕?」
「うん、トモ」
「………………僕は、嫌だ」
「何で?」
「僕は―――そんな恥ずかしいことしたくないよ」
「…………」
「『行為』そのものじゃない。…………そんな、赤の他人に自分の恥部、―――汚点を晒すなんて絶対に嫌だ」
「トモは頑な……だな」
「…………知ってるよ、自分でも。でも―――どうにもできない」
「…………そんなトモを、愛してくれる子がいつか現れるよ」
「…………だから、そんなもの必要ないって」
「必要ないなんてことはないと思う」
「…………女とあんな関係にならなきゃいけないなんて想像するだけで虫唾が走る」
「まあまあ、きっと、トモの嫌な部分とか最低な部分とか全部ひっくるめて、トモがどうしようもないくらい最低人間だと思っていたとしても、それでもトモと一緒にいたい、いてあげるって言ってくれる女の子にね、」
 
きっと、出会えるよ。
 
「………………」
「………………」
「…………本当に、そう都合よく行くかな」
「行く行く、俺が保障する。だってお前は俺の弟なんだから」
「それが一番信用ならないよ」
「酷っ!?トモお前兄に対してなんてことを!」
「……じゃあ、僕は、…………変わらないよ」
「ん?」
「……僕は他の人間のために変わってやろうなんて、考えないから」
「…………」
「…………本当に、そんな僕を愛してくれる人がいたら、…………僕も、この気持ち悪さを感じずに済むかな」
「…………」
「…………僕も、兄さんみたいに、思えるかな」
「…………俺と一緒かどうかは分からないけど」
「…………」
「でも、トモは絶対に『幸せ』になれると思う。俺が保障する!」
「……」
「だから、トモはトモらしく生きればいいと思う」
「……じゃあ、これからも別にそのまま生きていくから。勉強以外への無駄な努力とかしたくないし」
「うん、それでいいよ。そんな頑固なトモを好きになってくれる子がいるだろうから」
「…………」
「…………」
「…………兄さん」
「……え、何?」
「兄さんは、」
「…………俺は?何どうしたの?」
「……何でもない」
「何だよそれ!?酷くない生殺し!?そこまで言ったのなら最後まで言うべきでしょ!?酷い焦らしプレイだぜトモお!」
「…………言わない」
 
―――兄さんは。
―――兄さんは、そんな僕でも―――
 
「……あ、もちろん俺はトモが最低だなんて全く思ってないぜ!?トモは最高の俺の弟だからさ!俺はもちろんトモが大好きだけど、でもぶっちゃけ男の俺に好かれたって嬉しくないだろ!?」
「うん」
「うわあああああああそれはそれで凹むうううううううう、いやまあ男に興味があるって言われた方が怖いけどさ……なんて言うんだっけそう言うの、男同士で恋愛すること…………いーえるとかじーえるとかそんなのだった気がする。」
「……兄さん……いくらなんでも兄が同性愛者っていうのは勘弁してほしい……」
「だから違うって!?なんで一歩後ろに下がるの!?今のは例であって俺は思いっきりノーマルだよ!?」
「…………」
「だから黙るなって!……ああもう、よし気分を変えよう!何かおやつでも食べよう!トモ、何がいい?」
「何でもいい」
「確かタッパーにのり塩ポテチが入ってたな……よし、俺が台所から持ってくるから袋開いて食べようぜ」
「別にいいけど…………」
「よし、それじゃあ取ってくる!」
「……別に兄さんが行かなくても…………って、もう遅いか…………はあ」
 
―――……僕も、どうかしている。
―――兄さんに、『あんなこと』を聞こうとするなんて。
―――答えなんて、―――聞かなくても分かっているくせに。
―――兄さんのことだ、どうせ……
 
「あれ!?トモごめん、のり塩じゃなくてコンソメ味だった!?おかしい、これは事件だっ!二日前まではのり塩があったのに!きっとこの家にいる誰かがのり塩を食べたに違いないっ!そうだろうトモ!?」
「そうだね、兄さん」
「しかしおかしいぞ……この家には数ヶ月前から俺とトモしかいない……俺が友達を連れてきたのは一週間前だしトモはそんなことしてないし、いや、だからと言って俺は弟を疑うような外道じゃないっ!くそ、なんて難問なんだ……犯人は魔女だとするなら魔法を信じなきゃいけなくなるし、魔法を疑うなら俺は容疑者をトモにせざるを得なくなるっ……!くそ、なんて外道な運命なんだ!きっと将来的にこういうテーマを描いたゲームができるはずっ!!」
「そうだね、犯人も何も兄さんが食べてたからね」
「…………え?そうだっけ?」
「…………僕が家に帰って来た時普通にぼりぼり食べてたよ」
「………………あっはっはっは!こいつは驚いた!真の探偵はトモだったんだな!」
「探偵とかもはやこれ事件ですらないよね」
「細かいことは気にすんな!ということでコンソメしかなかったけど、ごめんな。これでもいいか?」
「……何でもいいって」
「そっか。よしトモ、それじゃあおやつといこう」
「…………」
「いただきます」
「…………いただきます」
 
―――どうせ、僕が『そんなこと』を聞いたところで。
―――へらへら顔で、『当たり前だろ』なんて、言うに決まっているじゃないか。
 
「…………自惚れすぎ、じゃないよね」
「ん?どうしたトモ?溺れすぎ?何が?」
「……兄さんは耳も悪いの?」
「ねえあのさ、すごく気になるんだけどでも聞かない方がいい気もするけど一応聞く、その『も』って何!?それじゃまるで俺に耳以外にも悪いとこがあるみたいじゃないか!」
「頭…………と顔」
「うわあああああああああああああのさトモそれは追い打ちすぎない!?頭が悪いのは初めから分かってたから耐えられたけど忘れたころに容姿に関して付け足すのは反則!頭はどうにでもなるけど容姿はどうにもならないだろ!?ていうかトモ、俺を不細工と罵るってことは自分もディスってることになるよ!?俺たち兄弟なんだから!」
「………………」
「…………や、待って、黙られたら困る。え、もしかして凹んだ?自分が不細工かもしれないって思った?いやいや気にしなくていいよトモ、お前の方が俺より利発そうな外見だし俺よりはイケメンだと思うよ多分、だから」
「そうだね」
「……何だろう、自分で振っておきながら『俺よりイケメン』を素で肯定されると切ない気持ちになるんだけど……」
「そうじゃなくて………………僕達、…………兄弟だよねって、思って」
 
―――兄さんは、馬鹿だから。
―――馬鹿で、どうしようもなくて、騒がしくて、頼りにならなくて。
 
―――でもそれが、兄さんの言う『愛』だとしたら。
 
「…………思って?」
 
―――それなら。
 
「…………嫌だなあ、って」
「…………ええええええ!?散々なんか感動できそうなことを言いそうな雰囲気を漂わせておいてそれ!?酷くない!?トモお前そんなに俺のこと嫌い!?いやまあ確かに尊敬されそうなことは何もしてないかもしれないけどでも待って、そこまで嫌われると……いくら俺でも落ち込む……」
 
―――まあ、『受け入れてあげないこともないかな』くらいには、思えたから。
 
「…………嘘だよ、…………半分はね」
 
  
 
 
 
  
  
 
あとがき
幼少トモは可愛すぎて生きるのが辛い……なんであんな子になっちゃったんだろう本当に。
ぶっちゃけ設定としては「昔は2人は普通の兄弟だった」なんですが、何だろう、これ普通じゃないよね?どう考えてもブラコンだよね??
こんな話なんですけどちゃっかり伏線張ってます、というか結構キャラの『本質』が見えるエピだったりする。
これを今日あげたかったがために番外編①を早めにアップしたという話。本当はもう少しキャラがつかめてからでもいいかなーと思ったんですがまあ大人の事情と言うことでwww

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無題
幼少トモが可愛すぎて生きるのが辛い。幼少トモが可愛すぎて生きるのが辛い。大事なことなので二度言いました。
ちび在野も可愛い。たぶん某保健室の住人に見せたら超危険(笑)
ほんと、なぜこんなツンデレブラコンからアレになったのやら・・・本編楽しみにしてるよーぅ
白架 2010/05/11(Tue)01:23:37 編集
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